2021-10-16 ぬくもりを求めて 長引いたうたた寝の 日暮れ近くの目覚めが 懐かしい感覚を呼び覚ます 郷愁と物悲しさを混ぜて薄めたような 時間に取り残されたような感覚… 淡い感覚の中で 言葉も論理的思考も持たない赤ん坊が 薄暗い部屋の天井を静かに見つめている その眼差しは気づいていたのだろうか もう後戻りできない過酷な人生の始まりに ふいに石焼き芋屋の声が恋しくなる おでんの匂いでも あんまんの湯気でもいい ぬくもりを感じさせてくれる何かが ほんの少しあるだけで ・・・ カラスの鳴き声でまどろみから抜け出すと またいつものいつもの日常へと戻っていく 2021.10.16