私が私になっていく道のり

私の内から出てきた言葉を想いのままに綴っています

ぬくもりを求めて

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長引いたうたた寝

日暮れ近くの目覚めが

懐かしい感覚を呼び覚ます

郷愁と物悲しさを混ぜて薄めたような

時間に取り残されたような感覚…

 

淡い感覚の中で

言葉も論理的思考も持たない赤ん坊が

薄暗い部屋の天井を静かに見つめている

その眼差しは気づいていたのだろうか

もう後戻りできない過酷な人生の始まりに

 

ふいに石焼き芋屋の声が恋しくなる

おでんの匂いでも あんまんの湯気でもいい

ぬくもりを感じさせてくれる何かが

ほんの少しあるだけで

・・・

 

カラスの鳴き声でまどろみから抜け出すと

またいつものいつもの日常へと戻っていく

 

 

2021.10.16