私が私になっていく道のり

私の内から出てきた言葉を想いのままに綴っています

五十路の女を生きている

 

首の違和感と慣れないシーツの匂いに目覚め

旅先であったことに気づく

 

密集するカラスの声を聞くうちに瞼の奥で 

忙しなく働く男の姿が自分と重なった

無数の海鳥が飛び交う漁港の朝だ

遠い過去の記憶か?・・・

 

前室の客が遠慮がちに階下に降りていく音に

現実に引き戻された

 

私は今 五十路の女を生きている

眠気を引きずったままベランダに出て

少し先の未来を想う

 

ひんやりとした空気が心地いい

 

 

2022.9.24